残業代の全部又は一部が発生しない場合

監視・継続労働

コチラをご参照下さい。


管理監督者

 
 労働基準法41条2号の管理監督者であれば,残業代は支払われなくても良いこととされます。しかし,この管理監督者に当たるかについてはいくつかの要件によって判断され,その判断につき争いになることが多いです。最近では,大手ファーストフード店の店長が管理監督者には当たらないとして,会社が店長に対して残業代を支払うことを命じる判決が下されました(東京地裁平成20年1月28日判決)。

 管理監督者とは,労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的立場にある者をいい,名称にとらわれず実態に即し判断すべきとされています。そして,管理監督者に当たるかについては,おおむね以下の3つの要件に即して判断されます。
 @ 事業主の経営に関する決定に参画し,労務管理に関する式管理監督権限を有していること,
 A 自己の出退勤をはじめとして労働時間について裁量権を有していること,
 B 特別手当などによりその地位にふさわしい待遇を受けていること。

詳しくは,コチラをご参照下さい。


事業場外労働制


 外回りの営業マンが何時から何時まで労働していたかを把握することが難しいことがあります。そこで事業場外労働制という,一定の時間だけ労働していたと見なすことができる制度が用意されています。 
 事業場外労働制とは,労働者が労働時間の全部又は一部について事業上施設の外で行った場合において,労働時間の算出が難しいときは,所定労働時間だけ労働したものとみなす制度です。
 たとえば,外回りの営業マン,保険外交員,取材記者,出張時の労働などについて採用されることがあります。
 
 この制度によれば,ある営業マンが9時から20時まで働いたとします(内休憩1時間)。この場合は,実際には10時間労働ですが,事業場外労働制の採用により,8時間労働とすることができるのです。一方,9時から17時まで労働した場合でも(内休憩1時間),実際には7時間しか働いていないにもかかわらず,この制度によって,8時間労働とされます。

 この制度は,使用者・労働者双方に得になることがありますが,使用者側の強い立場を背景に労働者に一方的に不利な運用がされるおそれがあります。そこで,裁判例の中では,当該会社においては労働時間の算定が困難ではないとして,事業が労働制の適用を認めないケースもあります(大阪地方裁判所平成13.7.19)。ここで労働時間の算定が困難かどうかの判断は,訪問先が上司の指示により決められているか,行動予定表の提出があるか,携帯電話などで具体的な連絡が頻繁に取られているかなどにより判定されます。


フレックスタイム制

 労働者のライフスタイルや価値観の変化に対応するため,また,より高い生産性を上げるためにフレックスタイム制を導入することができます。

 フレックスタイム制とは,労働者が1ヶ月などの清算期間の中で一定時間数労働することを条件として,1日の労働時間を自己の選択する時に開始し,かつ終了できる制度です(労基法32条の3)。通常は,1日の労働時間帯を,必ず勤務しなければならない時間(コアタイム)と,その時間帯の中であればいつ出退勤しても良い時間帯(フレキシブルタイム)とに分けて実施されます。

 この制度を導入するには以下の2つの要件を満たさなくてはなりません。

(1)一定範囲の労働者について始業・終業時刻を各労働者の決定にゆだねることを就業規則(10人未満の事案ではこれに準ずるもの)を定める
(2)一定の事項を定めた労使間協定を締結すること
   「一定の事項」とは下記の6つです。
    @ 対象者の範囲
    A 1ヶ月以内の清算期間
    B 生産期間における総労働時間
    C 標準となる1日の労働時間
    D コアタイムを定めるときは,その時間帯の開始及び終了の時刻
    E フレキシブルタイムに制限を設ける場合は,その時間帯の開始及び終了の時刻


裁量労働制

 テレビ番組のプロデューサーやシステムエンジニア(SE)など,仕事の成果を労働時間で測ることが適切ではないと考えられる業務があります。そこで,専門業務型裁量労働制という,業績を重視して給与を支払うことに適した制度が用意されています。

 専門業務型裁量労働制とは,業務の性質上,その遂行方法を労働者の裁量にゆだねる必要があり,労働時間の算定が困難な業務についてあらかじめ労働時間を定め,実際の労働時間が何時間であるかにかかわらず,みなし労働時間を労働したものとみなす制度です(労基法38条の3第1項)。

 この制度を導入するには以下の3つの要件を満たさなくてはなりません。 
 (1)対象者の業務が適用業務の範囲は厚生労働省が定めた業務であること
   適用対象となる業務は,研究の業務,情報処理システムの分析・設計等の業務(所謂プログラミングは裁量労働の適用対象外),新聞・出版記事や放送番組の取材や編集を行う業務,公認会計士弁護士建築士,デザイナー,金融商品の開発などです。
(2)一定の事項を定めた労使協定を,従業員の過半数を代表する労働組合または従業員の過半数を代表する者との間で締結すること。
「一定の事項」とは下記の6つです。

@ 対象業務
A 業務の遂行手段、時間配分の決定等に関し具体的な指示をしないこととする旨
B 1日当たりのみなし労働時間
C 労働時間の算定については、協定に定めるところによることとする旨の定め。
D 対象業務に従事する労働者からの苦情の処理に関する措置の内容
E 有効期間

(3)所轄の労働基準監督署長に対する労使協定の届出

 


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